禍津姫戦記

 姫夜は黙って杯を受けとった。姫夜がそれを飲み干すと、ハバキはすぐに酒で満たした。二杯三杯と杯を干してから、姫夜はいぶかしげにたずねた。

「ハバキ、なにを考えている?」

「なにか、とは」

「贈り物だといってカミをつかまえてきたり、出で湯に連れていってくれたり……」

「俺がおまえに優しくしては、おかしいか?」