禍津姫戦記

「クラトどのにも云われた。ハバキと野遊びにでも出かけろと。おまけに那智どのにまで」

「それほど占が気にかかるのか」

 ヤギラが肩で息をつきながら、酒の壺を運んできたので、ハバキは口をつぐんだ。

「そういえば、カリハどのから姫夜さまに文を預かってございます」

 那智が手箱からたたんだ文を取り出して、差し出した。即座にハバキがからかう。