禍津姫戦記

 はっとして、腕のなかの山鳥をみつめたが、山鳥は最初とおなじ清らかな姿のまま、ただじっとしている。

「鳥よ……」

 姫夜はそっと山鳥の翼をなでた。

「気に入ったのならそばにおけばいい。ヤギラに世話させる」

「いや」

 姫夜はその鳥が厄災そのものであるかのように、後ずさった。