禍津姫戦記

 館に戻ってくると、中庭でクラトが矢羽根の束を積みあげた山を前にして、すわりこんでいるのをみつけた。あたりを見まわしたが手伝うものは、いなさそうだった。

「クラトどの、あいすまぬが、ハバキを見なかったか? 朝からさがしているのだが」

「若長……いえ王なら狩りに出かけられました」

「狩りに? みながハバキを待っているという時に?」