「ここは怖ろしい。血と鉄(くろがね)の臭いがする。土にも木にも血の臭いが染みこんでいる」 「でも……どこへ逃れるというのです?」 姫夜はすがるような声で云った。白香姫は溶けるようにやさしい笑みを浮かべた。 「ここではない、遠いところへ」