禍津姫戦記

「姫夜」

 白香姫は姫夜によく似たほっそりした両手をさしのべた。
 姫夜は何も考えずにかけよって、その膝にすがりついていた。

「母上――母上、ご無事だったのですね」

 どっと業火に焼け崩れる宮のようすが脳裏によみがえり、姫夜は身震いした。