そして、まさに新しいクニの誕生を祝うために集まった里長や村人たちに、そのように印象づけることは、那智のねらいでもあったのだ。
 ハバキは緊張したおももちで朱い唇を引き結んでいる姫夜に手をさしだした。

「大丈夫か」

 姫夜はうなづいて、その手を取った。