禍津姫戦記

「そうだ。俺が王になると予言してくれたから云うのではない。おまえは俺が問うより先に名を名乗った。俺はあのとき心を決めていた」

 ハバキはそのくちもとに、残忍ともとれる笑みを浮かべた。

「俺はあの時、返り血をどっぷり浴びて、それでも正直殺したりぬという気さえしていた。王をめざすとはこういうことなのか。何が俺のさだめなのか。王になれるならはっきりとしたあかしがほしいと思った」