禍津姫戦記

   *

 冷たい、ほっそりとした指が額にふれ、なにかの文字を描いた。

「う」

 ハバキはうめきながら体を起こした。頭にかかった霧が晴れ、見まわすと蛇神はもう消えていた。
 心配そうに自分をのぞきこんでいる姫夜と目が合い、ハバキはどきりとした。