禍津姫戦記

「その呪詛の一部は、この俺のものでもあるぞ」

 姫夜が仰天したように、ハバキを見た。
 赤い蛇はゆっくりと鎌首をめぐらせて、ハバキを見つめた。金色の眼に面白がるような光がまたたいた。

 ――額に王のしるしを持つものか。いいだろう。報いはいずれ、こなたたちに二人に訪れよう。