禍津姫戦記

「ハバキ!」

 姫夜の叫びにハバキはふりかえった。

「わたしは水ノ江の亀石を見にゆく。あの山の上だそうだ」

 先ほどの少年兵が頬を紅潮させて進み出た。

「ヤギラと申します。わたくしがご案内致します」

「俺もゆこう。カリハ、ここは任せた」