「伊月、早く行こうよ。雨降り始めちゃうよ」 さっきと立場が逆転した私は、屋上へ続く扉に近づいた。 伊月は目を細めながらまだそこらへんをキョロキョロ見回している。 私の声が聞こえてないみたい。 「いーつーきー!」 私がそう嫌味っぽく言うと、伊月はやっと顔をあげた。 「悪ぃ」 「早く行こうよ」 遊園地に来た親子みたいなやりとり。 私が子供、伊月が保護者。