あまりの答えのはやさに、頭でその言葉の意味を分析するのに時間がかかった。 「さっきも言ったろ。しないって決めたって」 チラッと隣を横目で見ると、伊月はまっすぐ空の奥を見つめていた。 「でも、やっぱもったいないんじゃない?」 「何が?」 私が言うと、その言葉に反応して伊月がこっちを向いた。 ばっちり目があった。 伊月の目は、きれいな茶色だった。 透き通るような瞳に気をとられ、伊月に問いかけられているのに気づいたのは少し時間がたってからだった。