夢じゃない。 その事実が、胸にしみる。 ずっと、見たかった。 ずっと、ききたかった。 「すーず」 その笑顔のまま、フェンスにもたれた伊月が私を手招きした。 私は黙ってそこに行く。 「ほら」 私がフェンスをつかみ、伊月が上を向く。 「あの日と同じ、どこまでも続く青い空」 透き通るような青い空。 今の私たちみたいに、力強く広がっている。