「本当の笑顔って、自然となるものであって、無理やりなるものじゃないんだよ」 いつもの柔らかい笑顔の伊月。 確かに、そうなのかもしれない。 伊月と初めて出会ったあの日。 青空の下の屋上。 くしゃっと笑う伊月。 あの笑顔は、すでに本物だったのかもしれない。 「俺、はっきり言って涼に一目惚れだったから」 あのときと同じ笑顔が、今目の前で輝いている。