つかつかと流星は私の隣まで歩いてきた。 「本当なのか? 聞こえなくなるって」 いつも以上に真剣な流星の声に、私でさえ緊張してしまった。 伊月を見ると、悲しく目を伏せていた。 本当なんだ―――― その事実が、やっと理解された。 本当はちょっと期待してた。 これは偶然起こっただけで、すぐに聞こえるようになるって。 伊月の聴力が復活するって。 今、その希望がはかなく打ち砕かれた。