「伊月ね、もうすぐ聞こえなくなっちゃうの」 「嘘でしょ? おばさん」 私よりも先に優花が反応した。 驚いて息ができないっていうのを初めて実感した。 「ほんとなの優花ちゃん」 「母さん」 伊月が静かにお母さんを制した。 お母さんの目には、うっすら涙がたまっていた。 「岡村っ」 私たちの後ろから、声がした。 そっちを見ると、流星が力強く立っていた。