「ウソだ」 頭の中が整理されるより先に、口が動いた。 「そんなの、ウソ。だって、別れを告げたのは伊月だよ?」 「あいつはそう簡単に別れようなんて言わない」 「でも――」 そこで、思い出した。 『しばらく、俺ら距離おこう』 伊月は『別れよう』って言わなかった。 それって―― 「――私、伊月とまだやり直せるのかな……?」 「当たり前だろ? 伊月のことなんだから」 青い空を見上げながら、海くんは笑った。