私は少し流星を見つめた後、視線をそらした。 「ごめん。行かなきゃ」 「待てよ、涼」 流星の声を無視し、扉に向かって歩き出した。 「待てって涼」 さっきみたいに手首をつかまれた。 それだけじゃなかった。 ぐいっと体が引き戻される。 倒れそうになった私の体を、流星が受け止めたところまではわかった。 何がなんだかわからないまま、私は壁に体を押し付けられ、流星の顔が近づいてきていた。 気づいたら、唇と唇がくっついていた。