「伊月は――」 私が伊月の名前を呼ぶと、あっちがビクンと反応した。 「伊月は、どうしたら本当の笑顔になれるの?」 少し、雨が弱まってきた。 私たちのことを、気にしてくれているのかな。 そうだとしたら、神様はまだ私たちのことを見捨てていない。 そう、信じたい。