気がつくと、手に暖かい感触があった。 ふとそれを見て、その正体が伊月の手なのだとわかる。 「涼」 優しい声がした。 私の大好きな声。 「俺を笑わせてくれるって言ったよな?」 私がコクンと頷いた。 その方法も、よくわかないんだけど。 そんなことは今、死んでも口に出せない。