それからすぐに、俺は吹奏楽部を退部した。 顧問に難聴のことを話すと、残念そうに渋々うなずいてくれた。 きっと、今年もソロコンテストで金賞をとると確信していたのだろう。 そんなの、俺のかわりを探せばいいだけじゃねぇか。 その日から、俺の中の何かが少しずつ崩れはじめた。 学校にはちゃんと行く。 役割もしっかり果たす。 まわりは難聴だからって俺に優しく振舞う。 確かに、音が聞こえにくくなっていた俺にゆっくり丁寧に話してくれるのには助かった。 でも、まわりは俺に一線ひいていた。