雨は、まだやんでいなかった。 伊月と待ち合わせた、学校の近くにある公園。 いつもなら小さい子がたくさん遊んでいるけど、さすがに雨の日まで遊ぶ元気っ子はいない。 伊月はもう来ていた。 傘をささずに、ポケットに手を突っ込んでベンチに座っていた。 雨に濡れて、伊月の柔らかそうだった髪の毛が湿り、雫が滴り落ちていた。