その姿を見て、少しだけ心がキリッと痛んだ。 私はその記事を見なかったようにして、新聞を再びめくり始めた。 ふと、その手をとめた。 カラーのページに載せられた、ひとつ広告が気になった。 《補聴器》と黒々と印刷されている文字のすぐ下に、見覚えのある形のものが目についた。 大豆みたいな形のもの。 もしこれが補聴器なんなら、私はどこでこれを見たんだろう。