頭の奥から、チャイムが鳴るのが聞こえた。


少しして、それが頭の奥だけの話じゃなくて現実なのだと気づいた。




優花がよいしょっと腰をあげた。


「待って」私がとっさに言うと、優花はさっきと同じ表情で私の目を見た。



「なんで、伊月は吹奏楽やめたの?」



「それは――…」優花がそこまで言って口をつむんだ。

少し考えてから、再び口を開いた。