里麻がいなくなった席をボーっと眺めていた。 頭は思ったよりも冷めていた。 似たような経験を何回もしてきたからかな。 ――ひとりになっちゃった。 もう涙も出なかった。 ただひたすらに下唇を前歯で噛みしめた。 耳をすますと、数人の話し声がコソコソと聞こえた。 さっきの私と里麻のやりとりを聞かれたのかな。 親友一人さえも引き止められないなんて。 恥ずかしい。 里麻がいなくなった今、私を支えてくれる人なんて、誰もいない。 もう、わたしはひとりだ。