「その…姫華には言っとこうと思って…」


ん?また何かあったのかな?


はっ!


もしかして虐められてるとか?!


…いや、ないない。


それにしては、落ち着いてるし…。


虐められていたら、情報が入るはず。


今のところは何も情報は入ってないから、虐めではない。


となると…なんだ?


「何?」


「あのね、実は…」


意を決したように、覚悟を決めた顔で優歌が重い口を開いた時だった。


あの嫌味ったらしい声たちが聞こえてきたのは。







「桐谷さん運動できなさそう~」


「確かに!!そのせいで負けるのは嫌だし、100mの方がいいんじゃない〜?」


「それいいね!!」


「「あはははっ!」」


さっきから好き勝手言わせておけば、グチグチ、グチグチと…。


「おい!やめろ!」


私の様子に気づいたたっちゃんが急いで止めに入るが、もう遅い。


誰が止めてやるかっ。


「優歌?ちょっと待っててね?」


「う、うん…っ」


にーっこり笑って伝えると、引きつった顔の優歌と目が合いました。


うん、ごめん。


後でジュース奢るから許して。