裏庭につくと。
すでに、何人かの人影があった。
あらら、どうしよう。
まあ別に、すみっこにいればいいかな……。
そう思って、なるべく彼らに見えないように、座ろうと思った瞬間。
「あれ?」
視界の端に飛び込んできたのは。
ダークブラウンの髪の毛。
千影くんだった。
千影くんは、4、5人の男子に囲まれている。
わお、人気者!
……という雰囲気じゃ、ない。
あたしは小さな掃除道具が入っている物置の影から、様子をうかがう。
「……で、どんな手使ったんだよ?」
千影くんを囲む男子の声が聞こえてきた。
察するに、デザイン科の生徒だろう。
ちらほら見える髪は、どれも奇抜な色をしていた。
「どんな手って?」
「おかしいだろ、転入早々、
照明デザインに抜擢されるなんて」
「いや、皆と同じ課題を提出しただけだよ」
千影くんは、冷静に答える。
しかし男子達は、まだ引きそうにない。



