次の日からあたしの放課後は、すごく忙しくなった。
週3回は、学校で『オペラ座の怪人』の稽古。
週1回は、オーディション以前から習っているバレエ。
あと1回、ボイトレ教室。
「休みをくれー!!」
なんて、言えるわけもなく。
あたしはただもくもくと、稽古と習い事に従事した。
そう、この殺人的スケジュールがあるから、
既にデビューして忙しい子たちは、
オーディションを受けなかったんだ。
受けるのは、売れていない実里くらいで……
ちら、と実里の方を見る。
運悪く目が合ってしまい、ギロリとにらまれた。
すみません、あたしが悪うございました。
「ひなた、昼どうする?
学食?お弁当ある?」
「ごめん、恵。
ちょっと保健室で寝てくる……」
「えっ、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫」
そっかあ、と、恵は他の仲が良い子のところへ向かっていった。
はぁ……しんど。
あたしは栄養ドリンクだけを持って、ふらふらと教室を後にする。
すると前から購買の紙袋を抱えた涼介がこちらに気づいた。



