「くそ……っ!!」


「涼介!!」



キャストたちが泣き叫ぶなか、涼介は舞台を駆け抜け、その脇の階段を上がっていく。


照明や音響を操る、スタッフルームへ。



あたしも震える足を叱咤して、そちらに少しずつ近寄る。


階段の上から聞こえてきたのは……。



「……んで、誰もいねーんだよ……っ!!」



泣きそうな声と、機械をぐちゃぐちゃにいじくる音だった。



「なんで消えねーんだよっ、なんで……!!」



涼介がどんなに努力しようと、照明も音響も狂ったように、独りでに動いていた。



しばらくしてそれらがぷつりと途絶えるまで、誰もが恐怖で固まっていた。