しかし、実里の周りは騒がしく、誰もこっちの声なんか耳に入っていないようだ。 その間にも、頭上からは みし、みし、 と、嫌な音がしている。 「お願い、皆……っ!!」 「ひなた!!」 走り出そうとしたあたしの手を、涼介がつかむ。 その瞬間────。 舞台の中心を向いていたあたしの目の前を、 黒い影が、 上から下へと落ちていった。