「まあ~、久しぶり!
ひなたちゃん、すっかり綺麗な娘さんになっちゃって!」
「ご無沙汰してます」
「上がって上がって!
カレーしかないけど、たくさん食べていってね!」
ナツコちゃんは、るんるんとカレーをよそいながら、鼻歌を歌っていた。
久しぶりに、しかも突然来たのに嫌な顔一つしないなんて、偉いお母さんだな。
うちのママなんか、ちぃに対しての発言、かなりひどいもん。
いつも、涼介の家はだれかしら家族がいて、にぎやかだ。
そして、温かい。
同じ照明を使ったとしても、うちじゃこうは明るく見えないだろう。
いつも優しいお母さんが迎えてくれる。
兄弟とくだらない話をして、夜になればお父さんが帰ってきて、一緒に夕食。
あたしは中学の頃から、そんな涼介の家庭が羨ましくてしょうがなかった。