次の授業は、出ないと。
あたしたちは倉庫から出て、教室に向かう。
その途中の渡り廊下で、あたしは一番会いたくなくて、同時に一番会いたかった人を目撃してしまった。
「ちぃ……」
いつもと同じ、無駄に人目を惹きつける、完璧な容姿。
その姿を認め、横にいる涼介が身を硬くするのがわかった。
あたしも、硬直してしまったように動けない。
なぜなら……。
いつも一人のちぃが珍しく、誰かと一緒にいたからで……。
しかも、その人物は。
あたしの天敵だったのだ。
「実里……?」
小さく出た声は、震えていた。
彼女の体は壁に押し付けるようにされている。
ちぃが顔を近づけ、何かを彼女に囁いた。
実里はまんざらでもない様子、しかもほのかに嬉しそうに……
頬をピンクに染めて、ちぃを見上げていた。
「よー佐藤。いちゃこくなら、校外でやれや」
びくりと、肩が震えた。
涼介が突然、ちぃに向かって声をかけたのだ。
敵意を、むき出しにして。



