「ちぃ……」



あたしは、ちぃの細い体を抱きしめた。



「ひなた……?

怒らないの……?」


「だって、あたしのためでしょう?

あたしが、襲われたから」


「……違うよ。

あいつは、俺の正体を知ってるから、

言いふらさないように脅しただけで……」


「もういいよ……」



何が本心であろうが、関係ない。


あたしは、あなたの味方なの。



「あたしも強くなるから。

自分の身は自分で守れるくらい。

ちぃは……力を使わないで。

お願い……」


「……うん……わかったよ」



ちぃはあたしの背中をさすった。


小さい子にするみたいに。









この日の約束は……



守られることは、



なかった。