それは突然のことだった。


私がいつものように自分の家に帰ろうとすると、


男の人が私の玄関で座っていた。


しかも玄関のど真ん中で。


黒のパーカーを着ていて、ぐったりとしている彼。


それはまるで行き場所を失った野良犬のようだ。


でもこのまま家に入らないのは困る。


勇気を振り絞って男に声を掛けてみた。


「あ・・あの。家に入りたいんですけど」


「んっ・・・・。あ。・・あなたが風香さんですか!?お願いします


とめてください。」


そういって私の前で土下座をしてきた。


えっえぇ?


「あ・・・あの。どうして私の名を?」


「それは後ほどお話しますから!!とりあえず・・・。


とめて・・。」


そういい、彼は倒れてしまった。


「だっ。大丈夫ですか?」


反応がない彼にちょっとびっくりして、私はとりあえず中にいれた。