ある日、ぼくが留守番をしていると、だれかがドアをノックした。 「やあ、ぼくはしーくまさん」 「しーくまさん? 知らないなぁ」 すると、しーくまさんは腕を組んで考えた。 「マグロのことを海のチキンでシーチキンと言うでしょ? で、ぼくは、海のクマでしーくまさんってわけ」 「ふうん、そうなの。何しに来たの?」 「ええと……。きみの願いごとをかなえに来たよ。中に入ってもいいかな」