月天使


『受け取ってください。私の角です』


あたしは暖かな光の欠片、

ペガサスの角を受け取った。


「ねぇ…でもこれをあたしが受け取ったら
あなたは死んじゃうんじゃ…」


私は怖かった。死に怯える…とはまた違う。


何か怖いものが…また、誰かの死を見届けるのが

…ただ怖かったんだ。


『月さん…大丈夫ですよ。』


ペガサスがあたしに声をかけてきた。

あたしは思わず下がった頭をあげた。


『死にません。また角が元に
戻るまで眠りにつくだけです。』


「それじゃ、又会えるよね…?」


『月さんがそれを願うならいつだって会えますよ…だから私の事を忘れないで』


「えっ…!?待って…!」


あたしは思いっきり手を伸ばした。だけど、

ペガサスはあたしの前から姿を消したんだ。


「ペガサス…」


あたしは角を握りしめた。

すると角の形がみるみる変わっていった。


これって…!!