『お前が月だな。結大から話は聞いている。』


『えっ…犬がしゃべった!?』


『犬神と呼んでくれ。俺はアオ。お前の心の声、俺に響いた。お前の願い聞き届けよう。ただし、一つ条件がある。』


アオがあたしをじっと見た…。青く澄んだ瞳は

この暗い部屋でも輝きを放っていた。


『何…アオ!?』


『こらっ!!犬神である。アオと呼んでいいのは結大だけだ。』


『えっと…はい。』


『で、その条件とは世界を光に戻す。そして結大を幸せにしてやってくれ。』


『犬神様、そんな大きな荷役を…あたしに出来るでしょうか?』


『俺はお前なら出来ると信じてる。お前は俺と結大が認めた神様だから。』


『犬神様…ありがとう…。』


そう言った途端にまた目の前の真っ暗な部屋が

消えていく…。


どうなってるのか力がみなぎってきた。

そしてあたしは目が覚めた。


「ゔっ…」


「あっ!月、目が覚めたか!!」


皆があたしを囲って心配そうな顔で

上から見上げていた。


この心配そうな顔を笑顔に変える事があたしに

出来るだろうか…。だけど約束したんだ!!