月天使


「ゆっ……結大――っ!!」


あたしは思わず結大の体を揺する。

でも返事はない。どうしよう……。


そう思っていたら、ふれあがいきなり

立ち上がって、あたしを見つめた。


「月さん。私、もう結大さんに頼るのは嫌です。だから私も力を使ってみます!」


「えっ…でも…!」


「結大さんばかり格好つけてズルいです!!」


あたしはふれあのそう言う、強い眼差しに

思わず見とれてしまった。


そして、あたしはフッと笑い、ふれあを見た。


「今のふれあなら絶対に出来る。信じてるっ!!」


「はいっ!!」


ふれあのその気持ちの良い返事があたしの

気持ちを高ぶらせた。


「いっけー!!ふれあーっ!!」


「はぃ!!フレアータクト!!」


彼女が起こした奇跡はまだほんの

小さな奇跡に過ぎないが、この小さな奇跡は

あたしにとって嬉しいものだった。


「ふれあ、これは……!!」


白黒のこの世界の太陽が月に変わったのだ。