「着いたぞ!!ここが虹の谷だ!!」


結大があたしとふれあに手を貸してくれた。


「ありがと。でも結大、ここが虹の谷って……」


あたしは立ち上がって目を疑った。

今立っている場所が虹の谷なんて…


「月さん、結大さん、
ここにはもう色はないのですか…」


ふれあは悲しそうな顔をした。


虹の谷には七色の輝きはなくて、あるのは

白と黒の永遠に終わらない闇の世界だった。


「闇が深いな…月、ふれあ、あの城を見ろ!!」


結大が指をさした方をじっと見た。

そこには薄暗い霧に包まれた、お城があった。


「おそらくあの城が原因だ。」


結大が力を使いはじめた。


「えっ…!また力を使うんですか?
それじゃ結大さんが持ちませんよっ…!!」


ふれあは結大を止めようとしたが


「心配するな。大丈夫だから」


と言って結大はふれあの言う事を

聞きはしなかった。