月天使


『ねぇ、言いたい事分かるでしょ?』


私は一人呟いた。空に打ち上げた文字…


《明日、私の家に来て。待ってるから…》


結大はしっかりとそれを見ていた。


そして次の日、彼は私の家にやって来た。


『結大、来てくれたんだね!!』


私はすぐにお茶を用意して、

私の部屋の小さなテーブルを

挟んで結大と顔合わせになっていた。


『乃愛…どうしたんだ?
いきなり呼び出したりなんかして!?』


『何だか凄く嫌な気がするんだ…。
あの女の子の事、分かってるの?結大!?』


『あぁ…。彼女は望月月。とんでもないお嬢様だ。見た瞬間分かったんだ。俺なんかが関わっちゃいけない人だろうって…。』


結大が下を向いた。知ってたんだ…。

でも、それならなんで!?


『なんであの子に近づくの?』


『彼女が好きだから…。彼女はアオみたいな残酷な運命を持っている。だから、守りたいんだ…。』


私は結大のその震える手を

見て1つ呟いた。


『アオみたいにしたくないんだね。
彼女を…助けてあげたいんだね…。』


『あぁ…。』