月天使


―――バサッ…


その音と共に望月月の顔が真っ青に

なった。望月月の茶色い綺麗な髪は

バッサリと切られてしまったんだ。


『フフフ…月、貴方が悪いのよ!?
私に口答えなんてするから…フフフ…。』


『おっ…お母様っ!!か…髪が…。
嫌だ…嫌だ…。う…うわぁぁぁあっ!!』



望月月は結大の腕の中で泣き続けた。


そして私は驚きの真実を知ってしまった。


《望月由美子》はとんでもない


恐ろしき《悪魔》であることを…。



『悪いわね…浜島結大くん!?貴方の
愛犬だった、アオのお墓を望月家の
お金の力で取り壊したわ!!フフフ…。』


そう言って悪魔のように笑う


望月由美子は頭がおかしい…。


こんなの…酷すぎる!!



『わかり…ました…。』



結大はそう言って、屋敷へと戻っていく

望月由美子を前に泣き止まない望月月を

優しく抱き締め、静かに涙を流していた。



そして、それを目撃している私自身も


黙っていられなってしまい、思わず


空に火を打ち上げた。


私がマーズに変身していれば

人からは姿が見えなくなる。