「月くーんっ!!」


この高さ…普通なら死んじゃう…。


でも窓の下を覗いても月くんの姿はなかった。

つまり彼は生きてるよね?良かった…。


「………ってアレ!?」


でも月くん居なかったよね?


でもアレ…アレっ…アレ――――!

もしかして消えた?!


「お…お母…さ…ん!」


私はお母さんの顔を覗きこんだ。


「ううん。そんなはずない。
月くんが化け物なんて…あり得ない!!」


な…何ソレ…。

何でそんなに怖い事いいながら

なにかを恐れるような顔をするの…。


しかも化け物って何…?


「お…お母…さ…ん!?」


「え…?あっ!!ごめんね。何?佳那。」


違う。お母さんは間違ってる。

きっと彼は…


「月くんは……。」


「佳那…?」


「月くんは化け物じゃないもんっ!!」


私はお母さんの肩を思いっきり掴んだ。


お母さんもハッとしたように


「そ…そうよね。あれは酔っぱらった人が言ってただけよね…。」


と言った。


「そうだよ…。それに月くんは私達がガラスで傷つかないように守ってくれたんだよ…」


私達の事を助けてくれたんだよ…。