「おい、陸。この手紙って…?」


結大は少し寂しそうな顔を

して俺に聞いてきた。


「あぁ…これな、高1の時の彼女にな。
もう、この世にはいないんだけどさ…。」


「ふーん…。で、今も好きなわけ?」


結大は何を考えてるんだ!?

そー言うことズバッと言われてもな…


「好きなのは好きなんだけどな。」


うまく伝えられない気がする…。

今の心境が少し難しい。


「なーんだ。まだ好きなんだ!」


「いや、でもちょっと
違う気がするんだよな…。」


俺は思わず真顔で答えた。


「えっ…?なんだ…陸、
もしかして好きな子でもできたのか?」


結大が驚いたように聞いてきた。

俺は…


「分からない。でも夏美への気持ちは
恋の好きではない気がするんだよ。」


今更になってやっと夏美という

大きな存在を忘れられる気がした。


「ふーん…じゃあ寝る!!」


―――ガバッ…


結大は布団をかぶってすぐに寝た。

くっそぉ…興味なしかよ。


それとももしかして俺を気遣って

先に寝たのか!?


「なんなんだよ…お前は本当にマイペースで良いよな…。もう俺も寝るか。」


俺も布団をかぶった。

このきれいな星空に包まれて。