「冗談だよ・・・知ってるよ。望巳くんの好きな人。」
自分の驚いた顔が面白かったのか、満面の笑みを浮かべて早月さんは自分を覗き込む
いったい、誰のことを指しているのだろうか?
まぁ、大体予想はできるけど・・・・・・・。
「ズバリ、1組の太刀魚さんでしょ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり。
なんとなく、一緒にいる機会も多いし、誤解されたのは今回が初めてではない。
だけど、男と女が一緒にいるからって、そうだと決め付けるのは安易過ぎないか・・・?
「はぁ・・・。」
そんな、早月さんの発言に、思わず望巳の口から気の抜けたような声が漏れた。
「違うの?」
うん。全然違う・・・。
「いや・・・まぁ・・・。」
それでも、ここは深くつっこまれないように適当にはぐらかすのが妥当だと思い、望巳は曖昧な返事で返した。



