夏と秋の間で・甲

「･･･わ、別れるの？」



　わざと、顔をあわせないようにして恐る恐る聞いてみる。



「ううん･･･分からない。どうしようか悩んでいる、だから、それを今日斉藤君に相談したくて･･･。」



　一瞬の喜びも、ソレを押さえつけたモヤモヤも、今の一言で一気に消え失せる。



　どうして俺なんかに････等という質問は愚問に感じた。



　大場さんが知っている人の中でもし全ての事情を知っているとしたら自分だけだろう。



　ソレが、幸なのか不幸なのかは知らないが･･･。