夏と秋の間で・甲

「?・・・・何か言ったか?」



「え?いや・・・・ううん、なんでもないよ。行ってらっしゃい。」



「ああ。」



 亜紀に背を向け、望巳は体育館裏を後にした。



 先ほど、亜紀が「行かないで」と言ったような気がしたが、気のせいだろう・・・・。