「うん・・・実はね・・・。」



 大場さんは、顔をうつぶせ大きく息を吸うと・・・。



「私、先輩に捨てられるかもしれないんだ・・・。」



「え?」



 だいたい予想はしていたが、あえて驚いた口調をする。



 ここで、演技しないわけには行かない。



「早川先輩ね、昔、太刀魚さんに告白してふられたんだって・・・知ってた?」



「うん・・・、まぁ噂で聞いていたから・・・・。」



 この話をいったい、何度聞かされたことか・・・。



「私が先輩に告白したときね、実は一度断られたんだ。『俺は、まだ彼女のことが忘れられないから・・・』って。」



 ソレは初耳だ。



 もちろん、聞くあてもないから、仕方ないのかも知れないが・・・。