「ありがとう。」



　大場さんは、ぎこちない手つきで、タバコを一息吸うと。



「ケッホケッホ･･･!!」



　簡単に咳き込んだ。



「だ、大丈夫？」



　条件反射で背中をさする望巳。



　こんな状況にも関わらず、憧れの女性に障るのは少しどきどきする。



「うん･･･ありがとう。よく、こんなの吸えるね？」



　なみだ目になって訴える大場さんの姿が可愛かった。



　それでも、まだ先端から出てくる煙が怖いのか、火がついているタバコを遠くに置くことで、できるだけ煙を吸わないように努力する。



　ヘビースモーカーのサンマとは大きな違いだ。