「いや、大丈夫だ。それより、すまなかったな・・・・。無理やりつき合わせて。」



「いいよ。どうせ暇してたし・・・ソレより、この後の約束、お忘れなくね。」



「ちっ、覚えてたのか・・・。」



「当たり前だよ。ソレを楽しみに今日はここに来たんだから・・・。」



 赤塚学園から駅を三つわたったところにある『宝夢遊園地』



 片田舎では珍しい大型遊園地であり、ここ近辺で付き合っているカップルにとっては、最もポピュラーなデートスポットだ。



 ただ、それだけ知り合いに出くわす確立も高く、場合によってはたまたま家族連れで来ていた近所のオバサンなどに見つかる危険性も高い。



 ソレゆえ、『カップルではない二人』にとっては、最も鬼門とされる場所だった。



 そんな場所にサンマを連れて行くなんて、周りに誤解してくれと言わんばかりの行為である。



 それでも彼女は、快く自分の提案を了承してくれた。



 ・・・・・・・ただし、条件付で。



 遊園地が終わった後、彼らは二人で呑みに行くことになっている。